ゲノム医療・研究における患者・市民参画(PPI)の研究で、多様な委員の方々にご参画いただいてから約1年が経ちました。今回で4回目となるラウンドテーブルは東京で開催され、オンライン参加も含めて36名の方にご参加いただきました。この1年で行われた複数回の行事で班員や委員の交流が深まり、今回のラウンドテーブルでは、皆さんがよりリラックスして会に臨む姿が見られました。
各研究班における研究の進捗報告と質疑応答が行われた後、ゲストとしてお招きした報道機関勤務のお二人に、ゲノム医療・研究を取材する・報じる立場からと題してご発表をいただきました。ゲノム医療・研究の記事を書く上で気をつけていることや、取材した場合の情報の扱い方、記事を出す意義、取材からニュースが出るまでの流れ、プレスリリース取材時によく確認する点など、ゲノム医療・研究に関する実際の報道について詳しくお話を伺うことができました。参加者からは、「報道後すぐに読み手の行動に結びつく可能性を考慮して、何か対処をしているか」「(研究室勤務の立場で)記事が出た際に、読み手の期待と実際の研究段階との間に大きなギャップがあると感じる」「現段階で記事にすべきではない、と判断することはあるのか」などの質問やご意見がありました。
最後に、6グループに分かれて、この1年間の振り返りと次年度に向けた意見交換が行われました。次年度は、「PPIに積極的な立場だけでなく、批判的な立場の方の意見も聞ける場をつくりたい」「子供向けの体験型イベントのように、ワクワクして大人も一緒に理解を深められるような取り組みもあるとよい」「班員からだけでなく、一般の委員からも提案や発言をしていきたい」「研究計画書の作成段階など、実際の研究の中に患者・市民として参画する機会があると良い」といった多様で前向きなご意見をいただくことができました。